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「安かろう悪かろう」はもう終わり! 大規模修繕の品質と価格、両立させる業者選びの秘訣

 

この記事で分かること

✅ 「安すぎる見積もり」で手抜き工事が起こるカラクリ
✅ 「高ければ安心」とは限らない理由
✅ 見積書で品質を見抜く「5つのチェックポイント」
✅ 「適正価格」と「ライフサイクルコスト(LCC)」の考え方

「相見積もりを取ったら、A社は5,000万、B社は3,500万…」
「安すぎる業者は手抜きが怖い。でも、高すぎるのも…」
「結局、何を基準に選べばいいんだ!」

アパート・マンションの大規模修繕は、オーナー様や管理組合様にとって、数千万円単位の費用が動く、経営を左右する最重要プロジェクトです。

その業者選びの際、誰もが直面するのが「価格と品質のジレンマ」。
「安かろう悪かろう」という言葉通り、安すぎる業者を選んで「手抜き工事」をされ、数年後に雨漏りが再発…という最悪の事態は避けたい。
かといって、ただ高いだけの「高値掴み」もしたくない。

大規模修繕の成功は、「安さ」で選ぶことでも、「高さ」で安心することでもありません。
「品質」と「価格」のバランスが取れた=「適正価格」で、長期的な資産価値を守ってくれる優良なパートナーを見つけ出すことです。

この記事では、なぜ価格に差が出るのか、そして「安かろう悪かろう」から脱却し、
品質と価格を両立させる優良業者を見抜く「秘訣」を、見積書の見方から徹底的に解説します。

当社の「品質」へのこだわり
(選ばれる理由)

なぜ「安すぎる見積もり」は危険なのか?格安業者の“カラクリ”

コラム 危険

相見積もりで、他社より2~3割も安い見積もりが出てきたら、まず疑うべきです。
大規模修繕の費用は、主に「①材料費」「②人件費(職人代)」「③足場代」「④諸経費」で構成されています。
他社より“異常に安い”ということは、必ずこのどこかを削っている、ということです。

「③足場代」や「④諸経費」は、どの業者でも大きくは変わりません。
となると、格安業者がコストを削る場所は、「①材料費」と「②人件費」しかありません。

「安かろう悪かろう」の手口

  • 材料費の削減(手抜き)
    見積書には「シリコン塗料」と書いておきながら、実際はもっと安い「ウレタン塗料」を使う。
    塗料をメーカーの規定以上に薄めて使う(シャブシャブにする)。
  • 人件費=工数の削減(手抜き)
    これが最も多く、最もタチが悪い手抜きです。

    • 洗浄不足: 高圧洗浄の時間を短縮し、汚れやコケが残ったまま塗装する(=すぐ剥がれる)。
    • 下地処理の省略: ひび割れ補修や錆止めを「見えない部分」で省略する。
    • 乾燥時間の無視: 塗料が乾くのを待たずに次を塗る(=密着不良)。
    • 3回塗りを2回に: メーカー規定の「下塗り・中塗り・上塗り」の中塗りを省略する。

これらの手抜きは、工事完了直後は「キレイ」に見えてしまうため、オーナー様は気づくことができません。
しかし、3年~5年後に「塗膜の剥がれ」「雨漏りの再発」として必ず表面化し、結局、「安物買いの銭失い」となるのです。

高ければ安心?「高値掴み」をさせてしまう3つの落とし穴

コラム 落とし穴

「じゃあ、一番高い見積もりを出してきた業者が一番安心か」と言われると、それもまた違います。
不当に高い工事費(高値掴み)を払ってしまう落とし穴も存在します。

落とし穴1:管理会社への「丸投げ」

最も多いパターンです。「いつもお世話になっているから」と、マンションの管理会社に業者選定を「丸投げ」してしまうケース。

管理会社は、自社で施工せず、提携している施工会社に「下請け」に出します。その際、10%~20%の中間マージンを上乗せしてオーナー様(管理組合様)に請求します。
本来3,500万円の工事が、マージン込みで4,200万円になる、といった具合です。
管理会社に「適正なコンサル料」を払うのは問題ありませんが、「丸投げ」による不透明なマージンは「高値掴み」の元凶です。

落とし穴2:不要な「過剰スペック」

「とにかく一番良いもので」というオーナー様の要望に対し、「耐用年数30年」といった最高級・過剰スペックの塗料や工法ばかりを提案する業者です。

もちろん品質は良いでしょう。しかし、建物の他の部分(シーリングや設備)が先に劣化することを考えると、30年後に足場を組まずに済むわけではありません。
「15年耐用の塗料で、15年後にシーリングと合わせてやり替える」ほうが、トータルのコスト(LCC)は安くなる可能性もあります。
「高=善」ではなく、建物と予算のバランスを考えない提案は、高値掴みにつながります。

落とし穴3:設計コンサルタントの「言いなり」

大規模修繕では、工事の「設計・監理」を第三者の設計コンサルタントに依頼する場合があります。
これは品質を担保する上で有効ですが、そのコンサルタントが「施工業者と癒着」していたり、
「過剰な設計」をしたりすると、逆にコストアップの原因となります。
コンサルタントを入れる場合も、その選定自体を慎重に行う必要があります。

「結局、ウチの適正価格はいくら?」
まずは概算費用をシミュレーション!

「見積もりシミュレーション」

「見積書」のココを見ろ!価格と品質を見抜く5つのチェックポイント

コラム チェック

「安すぎ」も「高すぎ」も見抜く。その最大のヒントは「見積書」にあります。
総額だけを見てはいけません。「何にいくらかかるのか」という“中身”にこそ、業者の品質(誠実さ)が現れます。

ポイント1:「一式」見積もりは即NG

「外壁塗装工事 一式 〇〇円」「下地補修工事 一式 〇〇円」
このように、内訳が「一式」ばかりの見積書は100%信用してはいけません。
優良な業者は、必ず「(項目)〇〇 〇〇㎡ × (単価)〇〇円 = 〇〇円」というように、数量と単価を明記します。
「一式」は、数量をごまかしたり、後で「これは含まれていない」と追加費用を請求したりするための、悪徳業者の常套手段です。

ポイント2:塗料の「メーカー名・商品名・回数」が明記されているか

「シリコン塗装」としか書かれていない見積もりは不十分です。
(メーカー名)〇〇社/(商品名)△△/(仕様)3回塗り」と、具体的に特定できるレベルで書かれているか確認しましょう。
これが書かれていないと、「手抜き(安い塗料へのすり替え、2回塗り)」の温床になります。

ポイント3:「下地処理」の項目が詳細か

塗装の“寿命”は、塗料の良し悪しではなく、「下地処理」で9割決まります。
「高圧洗浄(㎡)」「ひび割れ補修(m)」「錆止め(箇所)」といった下地処理の項目が、どれだけ丁寧に拾い出され、見積もられているかを見てください。
この項目が安すぎる・大雑把な業者は、見えない部分で手を抜く可能性が高いと判断できます。

ポイント4:「足場代」は適正か

大規模修繕の費用の15%~20%を占めるのが「足場代」です。
ここの単価(㎡あたり)が、他社と比べて極端に高くないか、チェックが必要です。
また、「足場を組むついで」に、防犯カメラの設置や電灯の交換など、他の工事もまとめて行えないか、相談してみましょう。

ポイント5:「諸経費(現場管理費)」の割合

工事費の総額に対し、5%~15%程度の「諸経費」が計上されるのが一般的です。
これが20%を超えるなど、あまりに高額な場合は、内訳(現場監督の人件費、交通費、保険料など)を明確にするよう求めましょう。
不透明な「高値掴み」の調整弁として使われている可能性があります。

価格以外の「品質」を担保するパートナー選びの秘訣

コラム 説明

見積書(紙)が完璧でも、実際に「品質」を担保するのは「人(会社)」です。
価格交渉と並行して、以下の「価格以外の品質」を必ずチェックしてください。

秘訣1:「自社施工」の体制があるか

契約だけ取り、現場作業は下請け・孫請けに「丸投げ」する業者では、品質管理は行き届きません。
自社で職人を雇用・教育し、自社の現場監督が責任を持って管理する「自社施工」の体制があるか。
これは、品質とコスト(中間マージン削減)の両立に直結する最重要ポイントです。

秘訣2:「地元」での「施工実績」は豊富か

「全国展開」よりも、「地元の〇〇市で、あなたの物件と似た規模のマンションを〇〇棟手がけた」という実績の方が、信頼できます。
地元の業者は「悪い評判」が命取りになるため、誠実な仕事をするインセンティブが働きます。
実際の施工事例(写真)を見せてもらいましょう。

秘訣3:「保証」と「アフターフォロー」の具体性

「最長10年保証」という言葉だけでなく、「何を」保証してくれるのか(塗膜の剥がれ?雨漏り?)を書面で確認しましょう。
それ以上に重要なのが、「1年後、3年後、5年後の定期点検」を無償で行ってくれるか。
「やりっぱなし」にしない誠実な会社かどうか、アフターフォローの体制で判断できます。

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【結論】「ライフサイクルコスト(LCC)」で考える“本当の適正価格”

「安かろう悪かろう」を避け、「高値掴み」も避ける。
その最終的な判断基準は、「LCC(ライフサイクルコスト)」
すなわち「建物が寿命を迎えるまでに、トータルでいくらかかるか」という視点です。

(例)3,000万円(耐用8年) vs 4,000万円(耐用15年)

【A社:格安プラン】
工事費:3,000万円(耐用年数8年のウレタン塗料)
→ 24年間で3回(0年、8年、16年)の工事が必要。
24年間の総コスト:3,000万 × 3回 = 9,000万円

【B社:品質重視プラン】
工事費:4,000万円(耐用年数15年のフッ素塗料)
→ 24年間で2回(0年、15年)の工事で済む。
24年間の総コスト:4,000万 × 2回 = 8,000万円

※実際は足場代の削減などで、差はさらに開きます。

この例では、「目先の工事費」はB社の方が1,000万円も高いにもかかわらず、
「24年間の総コスト」はB社の方が1,000万円も安い、という逆転現象が起きています。

これが、「品質と価格の両立」の正体です。
「適正価格」とは、目先の安さではなく、LCCを最小化できる「品質への適正な投資額」のことなのです。

まとめ:「適正価格」とは、詳細な見積もりと長期的な視点から生まれる

大規模修繕の業者選びで、「安かろう悪かろう」も「高値掴み」も避ける秘訣は、価格の「総額」に振り回わされないことに尽きます。

品質と価格を両立させる秘訣

  1. 「手抜き」の温床となる「安すぎる業者」は即座に除外する。
  2. 「見積書の“詳細さ”」を比較する。(「一式」はNG。塗料名、下地処理が明確か)
  3. 「価格以外の品質」を比較する。(自社施工か、地元実績、アフターフォロー)
  4. 「LCC(ライフサイクルコスト)」の視点で、最適な工事仕様を選ぶ。

これらの「秘訣」を実行するには、オーナー様(管理組合様)ご自身にある程度の知識が必要ですが、
それ以上に「オーナー様側に立ち、誠実な見積もりとLCCの視点を持った提案をしてくれる」パートナー(施工会社)を見つけることが成功の鍵です。

「ウチの見積もりは適正か見てほしい」
「LCCで考えた場合の、最適なプランを提案してほしい」

私たち株式会社ミヤケンは、目先の価格競争ではなく、
オーナー様の大切な資産価値を「長期」で守るための「適正価格」と「最高品質」のご提案を信条としています。
ぜひ、その品質をお確かめください。

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